本屋でたまたま目に付いて面白そうだったので、買って読みました。
「西洋音楽論 クラシックに狂気を聴け」森本恭正 光文社新書
著者の森本さんは海外で評価の高い、クラシック界の有名な作曲家らしいですね。
で、最後まで飛ばすことなく読んでみましたが、これまで聞いたことのない説がいろいろ主張されていて、なかなか面白かった。
しかし、面白かったのだけど、「ホンマかいな」と思うところが多々あって、信憑性・真実性の点では大いに疑問が残る。基本的には、「少ないデータで、強引に自説を主張しちゃった」印象。
例えば、森本さんが、おおむね、こんなことを述べている箇所がある。
曰く、西アジアで生まれた弦楽器は、二手に分かれ、ヨーロッパとアジアに伝播した。もともとの弦楽器には歪みを発生する装置(三味線のさわり)が付いていたが、それがアジア・ルートでは温存され、ヨーロッパ・ルートでは早々に取れてしまった。さわりは今でもアジア全域で使われている。
というようなことから、さわりのない西洋音楽と、さわりのある東洋音楽の対比、さらにそこから両者の文化や社会体制、ものの考え方の違いのようなこと(?)を、ことあるごとに「さわり」をキーワードにして述べるんだけど・・・。
へぇ~、そうなんだぁと思ってぐぐってみると、「さわり」らしき機構を備えた楽器と言うのは主に日本の三味線と琵琶、それにインドのシタールとあと2つぐらい(インドでは「ジャワリ」というらしい)、それぐらいしか見つからないのだ。
たったそれだけって、アジア全体で使われてる弦楽器の種類と比べたら、ずいぶん少ないのではないか。しかも、あるサイトによると、三味線でも昔は「さわり」は無かったって書いてあった。ある時期から付加された機能なので、これは日本で発明されたものだ、とすら書いてある。
というわけでこの本、読むと面白いんだけど、まぁあまり真剣には受け取らない方が良いのかもしれない。ほんまでっかTVと似たようなもんかも。
ところで、自分に都合のいいデータだけで驚愕の新説を主張するのって、ある世代より上の人にありがちな特徴な気がする。ですが、あくまで気がするだけで、ちゃんとデータを集めたわけではありません。自分に都合のいいデータだけ集めることすらしていないので悪しからず~(笑)。
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